仏の里・国東半島 大分県豊後高田市『真木大堂』

宗教法人 真木大堂宗教法人 真木大堂

所蔵仏像ご紹介

木造阿弥陀如来坐像及び木造四天王立像

阿弥陀如来と四天王像
9体の国指定重要文化財の仏像が安置されている収蔵庫の中心には、真木大堂の本尊である木造阿弥陀如来坐像が配置され、周囲には仏教における4体の守護神が立ちます。東西南北に立つ四天王像は、それぞれに甲冑(かっちゅう)をまとい、籠手(こて)と脛当(すねあて)をつけ、沓(くつ)を履き、武器を持って邪鬼を踏んでいます。

【いずれも国指定重要文化財】


木造阿弥陀如来坐像

阿弥陀如来坐像
真木大堂の本尊である阿弥陀如来は西方浄土の主尊であり、極楽へ導いてくれる仏とされています。仏像が作られた平安時代は日本全土に末法思想が広がり、中央の有力貴族たちをはじめ人々は極楽に行けるようにと願い、信仰の対象として各地で阿弥陀如来が作られました。
像高216cm。丈六の坐像で檜(ひのき)材の寄木造り。左手を膝に置き右手を肘から曲げた来迎印(らいごういん)をとっています。彩色は前面に布張りの下地を施し、肉身に漆箔、螺髪に群青、衣に朱色がみとめられます。現在も随所に金箔の跡が確認できます。彫りが浅く、流麗な衣文(えもん)には11世紀後半の定朝様式がみとめられますが、肩幅広く厚みある体躯、やや面長できりりと結んだ唇などには定朝以前の古い様式もみられます。

【国指定重要文化財】


木造四天王立像

四天王立像写真左から持国天・増長天・広目天・多聞天
持国天

像高161cm。文字通り「国を支える」守護神として東方に立ちます。顔を左下方にうつむかせ、腰を右にひねって胸前の両手で持物を握ります。

増長天

像高158cm。サンスクリット語では「増長、増大した者」とされる五穀豊穣を司る守護神で南方に立ちます。顔を右下方に向け、左手を大きく振り上げて持物を握ります。

広目天

像高166cm。「尋常でない、特殊な眼(=千里眼)を持つ」守護神で西方に立ちます。冑をかぶらず結髪し、炎髪を立てて正面を向き、右手を上げて持物を握ります。

多聞天

像高162cm。「数多くの説法を聞く」守護神で北方に立ちます。独尊で祀られることも多く、その場合は“毘沙門天”と名を変えます。日本独自の信仰では七福神 の中の一体であり、財宝・蓄財の神とされています。顔をやや左下方に向け、腰をひねり、左手掌にのせた持物をにらみます。

【いずれも国指定重要文化財】


木造不動明王立像及び二童子立像(不動三尊)

不動明王像
大日如来の名を受けて魔軍を撃退し、災害悪毒を除き、煩悩を断ち切り、行者を守り、諸願を満足させる不動明王が中心に立ち、両脇を矜羯羅(こんがら)、制吒迦(せいたか)の二童子を従えた三尊形式で祀られています。この形は不動三尊と呼ばれ国東半島では典型的な様式とされていますが、不動明王の大きさに比べて二童子の造りが極端に小さいのが真木大堂の特徴とも言えます。

【いずれも国指定重要文化財】


木造不動明王立像

不動明王立像
像高255cmで榧の寄木造り。頭髪は巻髪で弁髪を左肩に垂らし、右眼を上、左眼を下に向けた天地眼と唇から上下に出した牙は忿怒相を表しています。右手に利剣を持ち、左手には分銅のついた羂索(けんさく)を執り、背後に勇壮な迦楼羅焔(かるらえん)を背負い岩坐に立ちます。迦楼羅は金色の翼を持つ想像上の大鳥で、口から火を吐き、竜を好んで食べるとされています。木彫不動としては日本一の大きさとも言われています。

【国指定重要文化財】


二童子立像

二童子立像写真左から制咜󠄀迦童子、矜羯羅童子
制咜󠄀迦(せいたか)童子

像高130cmで檜材の寄木造り。口を引き結び眼を伏せた厳しい表情で、こん棒を持った右手に左手を添えています。


矜羯羅(こんがら)童子

像高127cmで檜材の寄木造り。正面を向き、眼を見開いて合掌するやさしい姿です。

【いずれも国指定重要文化財】


木造大威徳明王像

大威徳明王像
像高241cm。本地は阿弥陀如来で、西方を守護して、人々を害する毒蛇・悪竜や怨敵を制服する明王で、六面六臂六足の忿怒相(ふんぬそう)で、中央の手は中指を立てて合わせる檀陀印(だんだいん)を結び、神の使いである白い水牛に跨っています。梵名の“ヤマーンタカ”は死の神ヤマ(=閻魔)をも倒す意味であり“降閻魔尊”との呼び名もあります。古くより戦勝祈願の本尊として信仰されており、その名が示す通り大いなる威徳を持つ明王とされています。頭、体の主要部分は樟材、手足部は檜材で造られており、大威徳明王としては国内最大のものとなります。平安の華やかな国東半島の仏教文化を象徴する仏像です。

【国指定重要文化財】


木造仁王像

仁王像あうん
樟材の寄木造り。馬城山伝乗寺が隆盛を誇っていた時代の守護仏で、江戸時代に建てられた旧本堂に安置されています。石彫が圧倒的に多い国東半島にあっては極めて珍しい木造の仁王様です。肩越しに見える菊花の紋章は約700年前、鎌倉時代の蒙古来襲の際、異国降伏の大祈祷の恩賞として下賜されたものと伝えられています。

○阿形(あぎょう)・ 写真右

像高225cm。筋骨隆々の忿怒相。阿は口を開けて最初に発する音で宇宙の始まりを表すとも言われています。吽と合わせて万物の根源を象徴するものです。

○吽形(うんぎょう) ・写真左

像高240cm。吽は口を閉じて出す最後の音です。阿は息を吐くこと、吽は息を吸うこととの考え方もあり、二人が行動や気持ちを合わせる「あうんの呼吸」の語源になったとも言われています。



 

Pamphlet Download (English .pdf)

▲ページトップ